精神科の診察を長年続けていて、つくづく感じることがあります。 それは、うつ病にかかる人がここ近年で確実に増え続け、さらに内容も深刻化してきていることです。
今の日本を、精神科的見地から、社会経済的に見るとまさに「うつ病」と言えるでしょう。
それも単なる「うつ病」ではなく、バブル時期の「そう病」の反動であるそううつ病の「うつ病」です。
華やかな世界で、湯水のようにお金を使い、何でも可能であるかのような幻想に、 日本中が浮かれていたバブル期の日本が一転、 リストラ、倒産の嵐が吹き荒れ、一人ひとりが不安や無力感、絶望を抱え、自殺者の数も加速度的に増えています。
現在、年間の自殺者は、わかっているだけで、3万5千人。それに年間10万人の行方不明者のうち、少なくとも半数は身元不明の自殺者だと推定すると、8万5千人が1年間に命を落としている。実に6分に1人という数字です。
この社会病理的に「うつ病」の世の中に精神科医としてメスを入れたい。これが私の思いです。

